montokokoroの日記

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黒子

黒子。ほくろ。「黒子のバスケ」ではなく、人の皮膚にある黒い点。

現実だとどこにほくろが出来るかはコントロール出来ない。レーザーで消すことは出来るらしいが、欲しい場所に作ることは出来ない。自力でコントロール出来る範囲の外にある。

気になったのは、創作でのお話。創作物のキャラクターのほくろって何なんだろうか。

よく見かけるのは目の横にある通称泣きぼくろ、あるいは口の横にある場合。口の横にあるほくろも通称があるようで艶ぼくろと呼ばれるらしい。大抵その人物はそのほくろしかないし、他のキャラクターは1つも顔にない。一つの世界観で大体1人か2人しか顔にほくろがあるキャラクターはいない。(身体は観測出来ないのでこの場合考えない。エロ漫画じゃないし。)つまり、その世界の主要人物でほくろがある人は1人か2人で、大体目か口の横にある。でも現実だともっとほくろってあるので、何か創作上の都合がある。(当たり前だけど)

そう考えるといくつかのパターンが想定される。1,描写されているほくろしか存在しない。2,他のほくろは設定上存在するが、描写されていない。

1の場合、その世界においてほくろはかなり貴重なものになる。なぜか他の人物には出来ないし、出現した場合はほとんど目か口の横にある。他のキャラには一切出来ない黒い点が自分の顔にはあることは、精神的に負担になるような気がする。その世界ではほくろが無いことの方が普通なのだ。なにかしらの病気を疑うかもしれない。それほど自分の顔にだけ黒い点があるということは異質だ。扱いとしては勇者の紋章のような、何かを指し示す象徴のようである。実際、泣きぼくろと艶ぼくろはセクシーなキャラにあることが多いし、妖艶さがほくろによって加味されているように見える。

2の場合は創作主の都合をより強く感じる。わざわざ描くには理由がある。泣きぼくろも艶ぼくろも異性に性的な要素を強くアピールする意味があるかもしれず、そういった先達の創作されたキャラに倣ってほくろを描写しているのかもしれない。もっと単純に漫画だとキャラクターの顔の書き分けとして分かりやすい。しかし漫画ならもっと分かりやすく髪型で個性を出しやすいし、体型や服装などもっと自由度の高い余地はある。なのでわざわざほくろを描くには作者の意図がある気がする。ほくろはフックとして機能し、泣きぼくろなら目、艶ぼくろなら口に注目して欲しいという創作主の意図を感じてしまう。他のキャラに無い分、余計注目してしまう。(単純に作者のフェチや好きなキャラのオマージュなどの可能性も十分ある)

顔のほくろではなく、身体のほくろの話だと、全員の全裸がこと細かに描かれることはR-18の漫画でもないだろう。自分の身体でも背面のほくろは把握出来ない。最近東京喰種(re含む)を読んだが身体のほくろが描写されているキャラが2人いた(もっといたかもしれないが記憶している範囲で)。どちらも女性で、1人はイトリというキャラ。このキャラはいかにもセクシー担当という感じで豊満な身体を惜しげも無く露出しており、左胸にほくろがある。社交的だが謎が多いキャラで全編通してひょうひょうとした立ち回りをしており、周りを翻弄するキャラ。妖艶さを出したいなら艶ぼくろでいいとも思うが、イトリは妖艶とは違った感じもある。刹那主義の危うさという方が近い。東京喰種という作品において目と口はきわめて重要な意味を持っている臓器なので、艶ぼくろも泣きぼくろも邪魔だと判断されかねないため描かれなかったのかもしれない。(瓜生というキャラは片方の目の下に3つもほくろがあり、そのキャラを描く時にはかなり大事に描かれているので、例外はある)

もう1人身体にほくろがあるキャラは霧嶋董香(トーカ)で、彼女は右胸にほくろがある。イトリと対称にするための意図は無いと思う。このほくろの理由はなんだろうか。彼女は主人公の金木研にとってヒロインである。金木研は母親との関係がかなり歪に描かれており、母性に飢えていると作中でプロファイルされていた。胸にフックとしてのほくろがあるなら、指し示すのは母性だろうか。そういえばヒロイン的立ち位置でほくろがあるキャラって思い浮かばない。ほくろの理由とか分からんくなってきた。トーカちゃんかわいい。

創作のキャラクターならほくろなんて描かなくて良い。個性を出したいならもっと他の要素で表現出来る。それでもなぜわざわざほくろを描写するのか気になりだしたので文章にしてみたが結論は出ていない。出るはずもない。現実感を出すためか。何かを示すフックになっているか。既存の泣きぼくろ艶ぼくろのキャラクター性に近い効果を出すために描写しているのか。もっと単純にほくろがあるキャラって大体どの創作でも1人はいるから、自分の世界でも1人くらい出しとくかーっていう軽いのりかもしれない。そのくらい軽い方が気負わなくていい。創作物なら何にでも理由とか目的を求めるのもそれはそれでおかしな話なので。

以上。